読書

『売上を、減らそう』逆転の発想!京都の佰食屋のラテラル思考

京都

どーも!

ねこじたのヒロです。

 

突然ですが、みなさんは飲食業界というとどんなイメージをお持ちですか?

ボクは今まで一度も飲食の仕事に従事したことはありません。

それなのに勝手にドロドロのグログロの超絶ブラックな印象を持っています。

 

偏見ばりばりでごめんなさい(笑)

 

しかし、あのワンオペ業務で有名になった某牛丼屋さんの話なんかを聞いていると、同じような印象をお持ちの方も多いと思います。

 

そんなブラックなイメージのある飲食業界に、一石を投じる一冊の本がここにあります。

『売上を、減らそう』 著者:中村 朱美

 

え?!

売上を、減らしていいの?

って思いますよね。

 

京都の小さな定食屋、「佰食屋(ひゃくしょくや)」

ここは奇跡の飲食店です。

なぜなら、売上を減らして、うまくいっているからです。

 

今、最も注目される女性起業家の一人となったこの本の著者である中村朱美さんは帯にこう書いています。

 

社員を犠牲にしてまで「負うべき数字」なんてない。

 

飲食店としての常識を捨てて、今の時代に求められる働き方まで提案する一冊。

今回は、この本から誰もが幸せになれる定食屋の謎を紐解いてみたいと思います。

 

佰食屋とは、ずばり100食

佰食屋とは、その名の通り1日100食しか売らない定食屋さんです。

おいしそうなメニューの写真などは直接「佰食屋」さんのホームページで見ていただくとして、ここではその特徴を紹介したいと思います。

営業時間はわずか3時間半、14時半には店じまい

ホームページでも確認できますが佰食屋は11時に開店し、14時30分には店じまい。

その営業時間はわずか3時間半しかありません。

あとは片づけをして、みんなでまかないを食べて帰るそうです。

17時、従業員が帰宅し始めて、遅くとも18時までにはみんな退勤できるようになっているみたいです。

どんなに売れても100食しか出さない

早い時間に100食売れてしまうなら、さらに売ればいいのにと思うかもしれません。

しかし、それは絶対にしないと決めているそうです。

100食以上となったら、来られるお客様をずっとおもてなし続けることになります。

それでは気持ちの余裕がなくなってしまう。

営業時間が伸びれば、当然、勤務時間も長くなります。

そのわりには、そこまで大きな儲けは得られません。

佰食屋は、お客様だけでなく「従業員のみんな」も大切にしたい。

そんな思いが100食限定には込められています。

100食限定が生んだメリットとは

100食限定という「制約」は、今までの会社ではありえない変化を生んでいます。

詳しくは本書を読んでいただくことにして、ここでは簡単に紹介します。

 

メリットその1「早く帰れる」

先程も特徴として書きましたが、佰食屋の営業時間は11時から14時半もしくは15時まで。

最長で4時間です。

どんなに遅くても従業員は17時45分には帰れるそうです。

もちろん残業もありません。

 

有給休暇もみんな完全に消化できているようで、中には14連休とった従業員もいたそうです。

飲食店では、というか中々日本の企業ではありえない休暇の取り方ではないでしょうか。

 

著者の中村朱美さんは本書の中でこう言い切っています。

「一人でもいなくなると、お店が回らなくなる?」

そんな状況を生み出しているは、経営者の怠慢でしかありません。

 

メリットその2「フードロスほぼゼロ化」

100食限定、かつ整理券システムが「フードロス」という視点でも思わぬ成果を生んだそうです。

電話予約できないこと、そしてキャンセルがほぼないことでフードロスが発生しないわけですね。

なんでもネットで予約できるこの時代に!?と思うでしょうが、そこには信念があるそうです。

 

整理券の配布は必然的に対面することになります。

つまり、一度顔合わせすることになるわけです。

 

この時点で、お互い「顔見知り」になる。

すると人間というのは不思議なもので、無断でキャンセルすることが格段に少なくなるんです。

 

なんとなくわかる気がしますよね。

電話予約しかしてない相手と、顔合わせした相手。

顔合わせした相手に失礼なことをしたくないと思う気持ちは、相手の顔が浮かんでくるからかもしれません。

 

メリットその3「経営が究極に簡単になる」

佰食屋の目標は1日で100食売り切るということ。

超シンプルで誰にでもわかりやすい。

結果、何に注力すればいいかも簡単だということです。

1日100食限定、ひたすらにおいしいメニューを、圧倒的なコストパフォーマンスで提供し、お客様に心から満足いただく。

わたしたちがしていることは、たったそれだけです。

看板メニューのステーキ丼は、国産牛と国産米しか使っていないそうです。

原価率も常識破りの約50%。

ここからつらつらとこのステーキ丼の説明が続くのですが、文章なのに美味しそうなステーキ丼が浮かんでくるほど(笑)

とにかく「商品力」に注力すればいい。

じゃあ、「商品力」とはなんなのか?

これだけをひたすら考えればいいということなのでしょう。

商品・店舗開発にあたって、佰食屋さんはクリアすべきことを4つ定めています。

それについて知りたい方は、ぜひ一度お読みいただくことをおすすめします。

メリットその4「どんな人も即戦力」

佰食屋さんは採用基準もシンプルです。

佰食屋の採用基準は、「いまいる従業員たちと合う人」。

それだけです。

正直ボク、笑っちゃいましたよ(笑)

むしろ、やる気に満ち溢れたような人はほかをおすすめするそうです。

なぜなら、どうせ100食以上売らないからです。

「もっと売りませんか?」というようなアイデアで今いる従業員たちを困らせたくない。

そんな思いがあるから、もっと稼ぎたい、もっと働きたいというような人は雇わないことにしているそうです。

ここらへんも常識破り。

いや、その徹底ぶりは本当に素晴らしいと感服しました。

メリットその5「売上至上主義から解放される」

佰食屋の経営目標は、「1日100食」のみと決まっています。

中長期的な目標、たとえば「数年以内に何店舗の出店を目指し、年商数億円にします」なんて目標は絶対に掲げないことにしているそうです。

そして、従業員にも個別の目標はいらないと中村朱美さんは書いています。

わたしは経営者として、従業員みんなに、「もっと売上を上げなければ」というマインドから解放されてほしい、と思っています。

売上を上げなければという思考。

そう考えてしまうと、どうしても人は自己中心的になってくると思います。

お客様よりもお店の売上を大切に考えてしまい、結果うまくいかずお客様が逆に減ってしまう。

そんなことがよく起こっているのが現在の飲食業界なのではないでしょうか。

人というのは自分に余裕ができてこそ、心から他人にやさしくなれる気もします。

「売上至上主義からの解放」は従業員に心の余裕を生み、お客様に本当の意味で優しくできるシステムだと思います。

売上を、減らそう。

順風満帆に思える佰食屋に2018年6月大きな転機が訪れました。

震度6弱を記録した大阪府北部地震が起こったのです。

京都市内でも震度5強を記録し、観光客が減ったそうです。

さらに翌月には豪雨による被害。

宿泊施設のキャンセルが相次ぎ、観光業は大打撃を受けます。

佰食屋もその影響を受けて、100食どころか50食程度しか売れない日が続いたそうです。

3ヶ月連続の赤字。

このままでは3店舗中の1店舗、お店を閉めるしかない。

そう覚悟を決めたとき、こんな思いが頭の中をぐるぐると駆け巡ったそうです。

 

従業員みんなにとって幸せな働き方を提供したい―。

その思いだけでやってきたのに、みすみす彼らを解雇する決断をしていいのだろうか。

 

お店を閉めるということは、当然ですが従業員に辞めてもらうことを意味しています。

本当にそれでいいのか?と、考えに考えた結果、浮かんできたのがこの本のタイトルにもなっている「売上を、減らそう」だったのです。

 

つまり、立て続けの自然災害でお客様は減ったけど、それでも50食は売れた。

だから、もういっそ100食限定を50食にすればいい。

50食限定にして、そこから逆算して成り立つビジネスモデルに変えよう。

こうして、中村朱美さんは「佰食屋1/2」という新たな飲食店のモデルを作りました。

お客さんが減れば、「もっと売上を上げるにはどうしよう…」ということばかりに考えがいってしまうのが普通だと思います。

それなのに「売上を減らそう」なんて、いかにも佰食屋らしい、素晴らしい逆転の発想ではないでしょうか。

50食でもお店は成り立つのかと思われるかもしれませんが、それについては本書を読んでいただければよくわかるかと思います。

まとめ

飲食業

この本を手に取るまで、まったくボクは佰食屋さんの存在を知りませんでした。

どちらかと言えば、食には疎いタイプでおいしいお店が多く紹介されるような雑誌もまったくと言っていいほど見ません。

そんなボクが書店で見つけた「売上を、減らそう」の文字。

おもしろいビジネスの話は好物のひとつです。

普段あまり飲食店とつながりのない読書バカとの接点を作ったのがこの本になったわけです。

この本自体が佰食屋さんの広告にもなっていると、そういうことですね。

 

ただ食べていけたらそれでじゅうぶんだ!

そんな、「小さいけれど自分らしいお店を作りたい」なんて方にはおすすめのビジネス本になっています。

当然、佰食屋のファンの方なら必ず読むべき一冊でしょう。

今回は中村朱美さんの考え方に感動し、どうしても紹介したくなってしまいました。

佰食屋、最高!行ったことないけどね(笑)

 

ここまでの読了、ありがとうございました。

ねこじたのヒロでした。

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