処方されたお薬についての説明をご希望ですね。
できるだけわかりやすくお話ししますので、少しだけ、お付き合いください。
よろしくお願いします。
もくじ
トラネキサム酸の効果・飲み方
効能および効果
トラネキサム酸は扁桃炎(へんとうえん)や咽喉頭炎(いんこうとうえん)に使われます。のどの痛み、発赤や充血、腫れなどの症状に効きます。
ほかには局所線溶亢進(特定の部位が出血しやすくなること)が関与すると考えられる異常出血に使用することもあります。
たとえば、生理などの性器出血、鼻出血、肺や腎臓の出血、前立腺手術中・手術後の異常出血などです。
当然、全身性線溶亢進(全身の様々な部位が出血しやすくなること)が関与すると考えられる出血傾向にも効果があります。
白血病や再生不良性貧血、紫斑病など及び手術中・手術後の異常出血などがそうですね。
その場合は、ほかの止血剤といっしょに処方されることもありますね。
ほかにも下記疾患における紅斑・腫脹・そう痒などの症状に効果があることがわかっています。
さらに、口内炎にも適応がありますが、正直、あまり処方されているのを見たことはありません。
それに適応外処方としての使い方が有名なお薬でもあります。
皮膚のシミ(肝斑、老人性色素斑、炎症後色素沈着)の治療に効果があることがわかっていて、婦人科などでよく処方されています。
用法・用量(飲み方とその量)
トラネキサム酸として、通常は成人1日750~2,000mgを3~4回に分割して経口服用します。なお、年齢、症状により適宜増減するのでこの限りではありません。
トラネキサム酸にはカプセル以外にも様々な形状があります。
剤形別の1日量は下記を参照してください。
・錠剤500mgなら1日2~4錠(1回1錠)
・散剤または細粒50%なら1日1.5~4g
どうやって効いてるの?(作用機序)
ここでは、どうやって効いているのかを簡単に説明しますね。
トラネキサム酸はプラスミンという物質の働きを阻止して、抗出血・抗アレルギー・抗炎症反応効果を示します。
「プラスミンって?」
プラスミンは、血を固める成分であるフィブリンを分解する役割を持っています。わかりやすく言うと、血を固める成分を壊しちゃうのがプラスミンなわけです。
その働きを抑え込むことで止血効果を発揮する。
これがトラネキサム酸という成分なんです。
さらにこのプラスミン、アレルギーや炎症反応に関わっていることがわかっています。
のどの治療や、口内炎に効果があるのも同じ理由、抗プラスミン作用にあるわけです。
副作用が気になった方はこちら!
トラネキサム酸はかなり安全性の高いお薬です。
いちおう添付文書では以下の報告があります。
・食欲不振、吐き気
・人工透析患者において痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
安全性の高いお薬ではありますが、以下の方は注意が必要です。
必ず事前に医師、または薬剤師に相談してください。
・腎不全のある方
まとめ
トラネキサム酸についての説明、ご理解いただけたでしょうか?
トラネキサム酸は人工のアミノ酸であり、かなり安全性の高いお薬です。
しかし、単独で処方されることはわりと少ないお薬でもあります。
もし風邪薬として処方されていた場合は、ほかのお薬についても注意が必要です。
それでは、これでトラネキサム酸についての説明を終わります。
気になったことがあればいつでも相談してくださいね。