もくじ
責任のバイアスについて
人は他人の貢献を完全には理解できない生き物です。
何かことをなしたとき、自分ばかり頑張ったような気になってしまうことがあります。
それは、
「責任のバイアス」
のせいです。
夫婦関係の修復について研究している心理学者のマイケル・ロスとフィオーレ・シコリーの調査において面白いことがわかっています。
カップルに質問をします。
「夫婦関係や恋愛関係において、デートの計画、夕飯の支度、ゴミ出しやケンカの解決など、その関係を維持するためにしている努力のうち、あなたの貢献度は何%程度あると思いますか?」
ちょっと考えてみてください。どう答えてしまうか、なんとなく想像できますよね(笑)
もし自分が65%と主張したなら、相手は35%と答えるはずであり、合計100%にならなければなりません。
しかし実際は、カップルの4組中3組は100%をかなり超えてしまったそうです。僕は思いましたよ、「やっぱりね」と(笑)
つまり、多くの人がお互いに自分の貢献度について過大評価していることを表しています。
「私の方が頑張っている!」
「私ばっかり我慢している!」
そんな気になってしまうときが誰にでもあると思います。
その原因がこの「責任のバイアス」というわけです。
これ、調査自体はすごく面白いと思うんですが、バイアスによって夫婦関係や恋愛関係に不和が生じているとすればなんとかしたいものですよね。
責任のバイアスを生み出す原因
ではどうしてこのようなバイアスが生まれるのか?
原因として大きなものと考えられるのは「受け取る情報量の差」だと言われています。
当然ですが、人間は「他人がしてくれたこと」より「自分がしてあげたこと」について多くの情報を知っています。
自分のしたことは100%把握できても、他人に関しては1日のうちでも一部しか見ていないのですから当たり前ですよね。
パートナーがどのような苦労をし、どんな心労があるのか、よく考えたらほとんどわからないはずなのに、勝手に想像し決めつけている場合が多いというわけです。
責任のバイアスを回避するために
原因がわかれば対処もできます。
結局はお互いの貢献度を正しく評価すればいいだけです。
つまりバイアスを「自覚」し、「相手がしてくれた貢献に注目する」ということが重要です。
①責任のバイアスを自覚する
つまり、自分の貢献に関する情報ばかり考えていることを認識することが大切です。このバイアスは、知っているだけでも軽減できます。
②他人がした貢献をリストに書き出す
自分のしたことを評価するよりも優先して(ここ大切!)、相手がしてくれたことをリスト化する。もしくは、相手に自分の貢献をリスト化してもらう。
以上の2点を意識することで、責任のバイアスはゼロにはできませんが軽減することが可能です。
悪気がなくても、人は自分の貢献を過大評価し、他人の貢献を過小評価してしまう生き物。
このバイアスを知ることで、夫婦関係や会社の人間関係が良くなれば幸いです。
本日の学びは以上でーす。
明日に続きま~す!!