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【国民の勘違い】風邪には抗生剤がいらない理由

服薬支援

どーも!

らくがき薬剤師のヒロです!

 

この世に生を受けた人で、一度もかからずに一生を終える人はいないであろう「風邪」という病気。

薬剤師であれば、処方箋を見た時点で風邪の処方であるのはすぐにわかります。

この風邪薬、渡す際にわりとよく患者さんから言われるセリフがあるんです。

「風邪なんてもう20年くらいはひいてないよ」

年配の患者さんに多く、本人は真顔で言っているので本気でそう思っているのだろう。

ちなみに私はほぼ嘘(勘違い?)だと思っている(笑)

きっと風邪にかかったことを忘れている、もしくは症状が軽かったため気づかなかっただけだと思う。

結論から言うと

『風邪に抗菌剤はいらない』

今回はどうして風邪に抗菌剤が不要なのか?

そして、いまだになぜ多くの風邪に抗菌剤が処方されているのかについてお話します。

抗菌剤の効果とは

そもそも抗菌剤とはどういったお薬なのか?

その定義を調べると抗生物質にたどり着きます。

抗生物質とは「微生物が産生し、ほかの微生物の発育を阻害する物質」です。

アレクサンダー・フレミングが1928年に青カビから発見したとされるペニシリン

これが世界初の抗生物質と言われています。

発見から実用化までに10年もの歳月を要したものの、その後は様々な抗菌剤が開発されました。

ペニシリンの開発は20世紀の偉大な発見のひとつで「奇跡の薬」と呼ばれることもあります。

かなり簡単に説明すると「抗菌剤」とは、細菌の増殖を抑えるお薬です。

細菌にのみ効くため、人体の細胞には毒性がなく、単に化学的な作用で死滅させる殺菌剤や消毒薬とは区別されます。

風邪に抗菌剤がいらない理由

皆さんは風邪というと、どのような場合を想像しますか?

熱が高いと風邪ですか?

咳やのどの痛みが出たら風邪?

数日間続いたら風邪かなと思う方も多いでしょう。

風邪というのは正式には「感冒」と呼ばれます。

発熱やのどの痛み、せき、鼻水に鼻づまりなど複数の症状がほぼ同時に見られる状態です。

そして、風邪の原因ですが9割がウイルスと言われています。

ウイルスが体内に入り増殖して、悪さをしているのです。

 

さて、ここで質問です。

抗菌剤は、ウイルスに効果があるのでしょうか?

 

もうおわかりですよね。

そうなんです!

抗菌剤はウイルスには効果がないのです!

抗菌剤が効かない詳しい理由については、ちょっとだけ説明が難しいこともあり、ここでは割愛しますが、風邪の原因の9割がウイルスであるためほとんどの風邪に抗菌剤はいらないということになるのです。(1割は細菌性であるため、絶対いらないとは言えませんが)

なぜ、それでも抗菌剤が処方されるのか!?

数年前より日本でも抗菌剤の乱用が問題視されており、「薬剤耐性菌」の増加を防ぐ目的で厚生省が2017年に抗菌剤の使用指針である「高微生物薬適正使用の手引き」を作成しました。(医療費の削減という目的もあるでしょうが)

この手引きは、風邪(感冒)に対して抗菌剤を「使わないことを推奨する」としています。

では、なぜそこまで医師にも理解されている抗菌剤が、今もなお多く処方されているのか?

それは医師もまた人であること、そして日本では患者側に間違った認識が浸透していることにも原因があります。

病院は医療と言えど、どうしても商売の側面があります。

それが開業医ならなおさらでしょう。

悪い評判は死活問題になりうるので避けたいのは当然ですよね。

風邪と完璧に診断することはベテランの医師でも難しいようです

風邪の症状というのは、様々な病気の初期症状とよく似ており判断を誤ると病気の進行を招いてしまいます。

そうなれば、ヤブ医者だと噂を立てられ、商売としても立ち行かなくなる可能性さえあります。

抗菌剤はそういった誤診を想定した場合の保険になっているのです。

私はある医師から「完全に見切れる自信がないので、不安な患者には抗菌剤を処方する」とはっきり聞いたことがあります。

もうひとつ理由があります。

僕個人としては、これが一番厄介だと思っています。

体感としては50代以上の方に多いのですが、抗菌剤が処方されていないと不安になる患者さんが一定数おられます。

僕達薬剤師が「抗菌剤は風邪には効きません」と言う説明をしても、納得できない様子だったりします。

なかには「抗菌剤を飲まないと風邪は治らない」と信じておられる方もいて、これまた大変です。

勤務している薬局では時間をかけて何度も説明したり、病院に戻ってもらい医師から説得してもらう場合もあります。

抗菌剤を処方していない医師は不信感を持たれ、どうしても納得されない場合に仕方なく抗菌剤を処方することもあるのです。

つまり2つ目の理由というのは国民全体の知識不足が原因ということになります。

まとめ

本来、風邪薬というのは治療薬とは呼べません。

風邪の治療をしているのは、何を隠そうあなた自身の免疫能力にほかならないのです。

一般に、風邪薬として処方されるものは、どれも対症療法に過ぎません。

原因であるウイルスに効くお薬がないので仕方ないのですが、私には無理やり働けるようにしているようにしか思えない治療です。

風邪をひいた時は何も考えずしっかり休む。

それが本来の風邪の治療なのです。

風邪をひいた時はさっさと寝る!

特に若い人は夜更かししがちです。

「風邪、ひいたかな?」の時点で夜更かしやめて寝ましょうね。

服薬支援
管理人
ねこじたのヒロ

福岡市在住。薬剤師歴14年目の現役薬剤師です。
薬局管理を約5年間ほど経験するも保険点数を追いかける業務に違和感を感じ、現在は一薬剤師として働いています。
読書が好きで年間180冊程度読んでいます。小説以外なら何でも読みます。

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