こんにちは。
ねこじた薬剤師のヒロです。
これからかんたんにお薬の説明をさせていただきます。
できるだけわかりやすく説明をしたいと思いますので、ちょっとだけお付き合いくださいね。
どうぞよろしく、お願いします。
もくじ
酸化マグネシウムの効果、飲み方
基本的な情報から最も大切な『効果と飲み方』を説明しますね。
効能・効果(何に効くか?)
酸化マグネシウムが主に使用されるのは、便秘症に対してです。
ほかに、下記疾患(消化器症状)における制酸作用と症状の改善を見込んで使われる場合もあります。
使用頻度からすると、おまけ程度ではありますが、尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防(尿路結石の発生予防)にも効果があると考えられています
実感としては、ほぼ便秘症の治療薬として処方されている印象です。
用法・用量(飲み方とその量)
便秘薬(緩下剤)として使用する場合は、通常成人なら1日2gを食前又は食後に3回に分けて服用するか、又は就寝前に1回服用です。
ただし、便秘状況によりどのように服用するか自己調節が可能の場合も多いので、医師の指示に従ってください。
用量に関してはかなり個人差がありますので1日2gというのはひとつの目安と考えてもらってかまいません。
胃腸薬(制酸剤)として使用する場合は、通常成人なら1日0.5~1.0gを数回に分けて内服します。
尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防に使用する場合なら、酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.2g~0.6gを多量の水とともに内服します。
なお、上記いずれの場合でも年齢や症状により適宜増減することとなっています。
どうやって効いてるの?(作用機序)
便秘改善効果について
酸化マグネシウムは腸内に水分を引き寄せ、便を軟化増大させる効果があります。
つまり、水分を集めて硬くなってしまっている便を軟らかくするわけです。
また、その結果、便のかさが増大することになると刺激に受けることによって腸の運動が活発になり排便を促します。
腸を直接刺激する刺激性便秘薬と異なり、習慣性がないため、長く続けても効きめが落ちないことも大きなポイントです。
習慣性とは、身体が薬になれてしまい、段々と効きにくくなってしまうことです。
消化器症状改善について
酸化マグネシウムには制酸作用があります。
制酸作用とは、胃酸を中和する作用です。
胃の粘膜が弱ったり、胃酸が出すぎたりすると胃炎や十二指腸潰瘍などの消化器症状を起こしやすくなります。
その胃酸を中和し、酸による刺激を弱めると考えてもらうとわかりやすいと思います。
簡単にいうと胃酸の攻撃性を減らすということですね。
副作用が気になった方はこちら!
安全性の高いお薬ではありますが、服用量が多すぎたりすると人によっては下痢になったり、軽い腹痛を起こすことがあります。
用量調節がうまくいかないと下痢や腹痛になってしまいます。
こればっかりは他人にはどうしようもないですね。
毎日、自分の便の状態を確認してもらうしかありません。
念のために添付文書(説明書)に記載されている重篤な副作用も書いておきます。
吐き気、嘔吐、脈が遅い、脱力感、意識がうすれる
高マグネシウム血症が考えられます。
重篤な副作用は以上のひとつだけですが、上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談することをおすすめします。
まとめ
以上で酸化マグネシウムについての解説は終わりです。
副作用も少なく非常に安全性の高いお薬であることがおわかりいただけたでしょうか。
しかし、いくら安全性が高いといえるお薬でも勝手な増量は危険です。
なぜなら単純な増量により、重篤な副作用である高マグネシウム血症を起こしやすくなるからです。
効果不十分を感じたときは、かかりつけのドクターに必ず相談するようにしてください。
気になったことがあればいつでも相談してくださいね。