こんにちは。
ねこじた薬剤師のヒロです。
ムコダイン(成分名カルボシステイン)は去痰薬と呼ばれるタイプのお薬です。
去痰薬とは、痰を取り除きやすくするお薬のことで、主に咽頭炎や急性気管支炎、気管支喘息などに使われています。
ムコダイン(カルボシステイン)には錠剤、散剤、液剤など様々な形状(剤形)があり、液剤や散剤は特に小児に咳止めのシロップなどといっしょによく処方されます。
ロキソニン(ロキソプロフェン)、カロナール(アセトアミノフェン)などと並んで、誰しも一度は服用したことのあるお薬ではないかと思います。
今回はこのムコダイン(カルボシステイン)について、専門用語などをできるだけ使わずに簡単にまとめてみました。
短い時間ですが、よろしくお願いします。
もくじ
ムコダイン(カルボシステイン)の効果、飲み方
基本的な情報から最も大切な『効果と飲み方』を説明しますね。
効能・効果(何に効くか?)
主に以下の疾患における痰を取り除きやすくする効果があります。
さらに慢性副鼻腔炎の「排膿」や中耳炎による「貯留液の排泄」にも用いられます。
小児から高齢者まで幅広く使用されているお薬です。
用法・用量(飲み方とその量)
通常は成人の場合1回500mgを1日3回内服となっています。ただし、年齢や症状により適宜増減することになります。
小児(2歳以上12歳未満)の場合は、体重(kg)あたり1回10mgを1日3回内服します。こちらも、年齢や症状により適宜増減されます。(1日量30mg)
例えば、4歳の小児で体重15kgの場合なら1回150mgを1日3回が目安になります。
どうやって効いてるの?(作用機序)
ここではムコダイン(カルボシステイン)が、なぜ痰を排出しやすくできるのかを簡単に説明します。
カルボシステインは複数の作用により去痰効果を示すことがわかっています。
①粘液成分の調整作用
カルボシステインは痰中の構成成分であるシアル酸とフコースの乱れた構成比を正常化します。
すごく簡単にいうと痰をサラサラにする効果ということですね。
②粘液線毛輸送能を改善
障害された粘膜上皮を正常化することにより線毛輸送能を改善します。
それによって痰を外に排出しやすくすることになります。
③抗炎症作用
活性酵素産生を抑制します。
④留液排泄促進
副鼻腔炎時の鼻汁や中耳炎時の溜液排泄を促進させます。
副作用が気になった方はこちらへどうぞ!
かなり安全性の高いお薬でほとんど副作用の心配はありませんが、食欲不振、下痢、腹痛、発疹がごく少数報告されています。
よく質問を受けますが、カルボシステインには眠気の副作用はありません。
念のために添付文書(説明書)に記載されている重篤な副作用も書いておきます。
下記のような症状があらわれた場合には使用を一旦やめて、すぐに医師の診療を受けるか相談するようにしてください。
皮膚・粘膜が赤く腫れて発疹や水ぶくれができる、発熱、全身倦怠感
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群などの可能性が考えられます
全身がだるい、吐き気がする、皮膚や白目が黄色くなる
肝機能障害、黄疸の可能性が考えられます
じんま疹、顔や喉の腫れ、めまい、ゼーゼー息苦しい(呼吸困難)
ショック、アナフィラキシー様症状が考えられます
以上が重篤な可能性のある副作用です。
ただし、ここにあげた副作用がすべてというわけではありません。
上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談するようにしてください。
まとめ
以上がムコダインの解説でした。
副作用も少なく非常に使いやすいお薬であることが、おわかりいただけたでしょうか。
去痰薬であるムコダイン(カルボシステイン)は単純に痰を排出しやすくするだけでなく、咳嗽(がいそう)反射(痰を出そうとして咳が出る反応)による咳症状を緩和する効果を期待して処方してあることも多いお薬です。
なのでムコダイン(カルボシステイン)が処方された場合は、自分では「咳だけで痰は気にならないけどなぁ・・?」と思ってもしっかり服用することが大切です。
気になったことがあればいつでも相談してくださいね。