どーも!
ねこじたのヒロです。
「いい人ですよね」
もし、そんな風に言われたことがあるなら、あなたは最高のギバーになれるかもしれません。
ギバーとは「与える人」のことです。
そのまんまじゃねえかと思ったあなた。正解です。
世の中には3つのタイプの人がいて
・ギバー「人に惜しみなく与える人」
・テイカー「真っ先に自分の利益を優先させる人」
・マッチャー「損得のバランスを考える人」
に分けられるといいます。
そして、この中で社会的に最も成功していたのはギバーでした。
しかし、反対に最も底辺にいるのもギバーだったのです。
つまり、ギバーはその考え方、行動しだいで大きく人生が変わるということです。
なぜ、同じように与える行為を行っているのにそこまで大きな差が生まれるのでしょう?
今回はアダム・グラント氏の著書『GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代』から、自分もその周囲も幸せにできる本当の「与える人」になる方法を模索したいと思います。
もくじ
なぜ「与える人」が成功する時代といえるのか?
ソーシャルメディアがなかった時代なら、リフキンは無名のままあくせく働いていたかもしれない。しかし社会が密接に結びついたおかげで、ギバーとしての彼の評判は音速より速く広まることになった。
密接に結びついた社会は、人間関係や個人の評判をより見えやすくしている。これはつまり、テイカーである代償も、ギバーである利益も、どちらも増幅するということだ。
引用:GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代
つまり、インターネットが発達し、SNSで個人が発信することも当然の時代になったことで、自分の利益を最優先するテイカーも、人に惜しみなく与えるギバーも可視化しやすくなったわけです。
当然ですけど、誰だってテイカーとはつき合いたくないですよね?
どんな金持ちでも「どんどん私から奪いなさい」なんて言ってる人はいません。人が奪われて嬉しいのは、ハート(恋心)だけだと思います。
はい。冗談はさておいて、本書の中に「テイカーCEOの見抜き方」が書いてあったので簡単にまとめました。
全部で3つあります。参考程度に覚えておくといいかもしれません。
正直、CEOみたいに社会的にお偉い方じゃなくてもいっぱいテイカーはいると思います。
自分の周りにもいるかもしれません。チェックしてみることをおすすめします。
ちなみに、「レック」というのは動物界におけるオスがメスに自分をアピールする行動のことです。
男性にありがちな女子の気をひくための「俺はすごいんだぞ」ってやつです。
①インタビューに表れる「レック」
テイカーは自分のことで頭がいっぱいらしいです。
そのため三人称の代名詞(私たちや僕たちなど)より一人称の代名詞を使うことが多いようです。
調査では平均が21%だったのに対し、テイカーは約二倍である39%も使っていたそうです。
なんでもかんでもオレオレオレオレ言ってるやつは危ないってことですね。
②報酬に表れる「レック」
テイカーは自分を優れた人間とみなしているので、給料(報酬)が大幅に違うのは当たり前だと思っているとのこと。
ナルシスト的なとこがあるのかもしれません。
調査によるとコンピューター業界において、テイカーCEOは社内のほかの上級経営幹部の三倍以上の年俸とボーナスをもらっていたことがわかったそうです。
うらやましい気がしたりもしますが、引くぐらいわかりやすくて笑える。
そういえば、たまにボクも自信満々な人に出会います。
そのたびに思うんですけど、どうやったら自分を「優れた人間」だと思い込めるんでしょう。
ボクは毎日読書をします。さらに最低1時間程度はなにかしら勉強をするようにしています。が、それでもとうてい自分を人より優れてるとは思えないです。むしろ次々と知らない言葉が出てきて、無知である現実をこれでもかと叩きつけられる日々です。
③年次報告書に表れる「レック」
テイカーCEOにとって、年次報告書はまさに「自分」のために作成されたものです。
そのため、自分の写真を大きく載せている傾向にあるそうです。
どのくらい大きく載せているかといったら、一般的なCEOは1ページのすみに紹介程度だったのに対し、テイカーCEOは丸々1ページ自分の写真に使っていたりしたとのこと。
どんだけ自分アピールしたいんでしょうね。
「この成果はわしがやりました!」ってことなんでしょうね。
以上はあくまでCEOに対しての調査結果でしたが、フェイスブック、ツイッターやLINEなどのSNSのプロフィールにはテイカーを見抜く「レック」がわんさか溢れているとアダム・グラントさんは書いています。
ボクも自分自身のSNSが心配になってすぐに確認しちゃいました。
少しだけ訂正したのは内緒の話。
与えることは「感染」する
ある調査で、「影響力」の専門家、ジェームズ・ファウラーとニック・クリスタキスは与えることは社会的ネットワーク全体に素早く広範にわたって広がっていくことを発見した。
人が自分を犠牲にしてあるグループにくり返し与えるようにすると、ほかのグループのメンバーもやがて同じことをしはじめたのである。それどころか、もともとその場にいなかった人々にまで与えるようになったのだ。この影響は何度もくり返し持続し、3段階(最初の人から次の、次の、次の人)にまで広がる。
※ちなみにここで“自分を犠牲にして”と書いてありますが、ここでいう犠牲は負担にならない程度の犠牲です。ここ大切なので注意です。
簡単にいうとひとつの「与える行為」は感染することによって、結果として3倍の「与える行為」を生むというわけです。
なぜこんなことが起こるのでしょう?
不慣れな場所に行ったときを想像してみるとわかりやすいと思います。
慣れない場所や雰囲気を感じると、人はほかの人のふりを見てふさわしい行動を知ろうとします。
そこで誰かが「与える行動」を取れば、それが当たり前の振る舞いになる。
つまり、これが「感染」です。
ここでちょっと考えてみてもらいたいのですが、じゃあ最初に行動した人が反対に「奪う行為」をした場合どうなると思いますか?
やはりこれも「感染」してしまう気がしませんか?
「奪う行為」はゼロサムゲームであり全体のパイ(取り分)は大きくなりません。
つまり奪われた人は取り分が減ってしまい損をすることになります。
これでは社会ネットワーク全体を大きくすることはできないし、いつも奪われてしまう弱者を作ってしまうことになってしまいます。
ボクは、できることなら自分の周りの人たちだけでも幸せにしたいと思っています。
いや、もっと言うと、たぶん、ほとんどの人がそう思ってますよね?
最初に選ぶ行為によって、その後の社会ネットワークの行動特性が決まるなら、まず自分自身が率先して「与えること」を行うようにした方がいい。
なぜなら、自分のことばかりを優先的に考えてテイカーになってしまえば、自分の所属する世界やチームがテイカーだらけになってしまうからです。
そんな世界、みんな絶対に嫌でしょう。
なら答えは、ひとつしかありませんよね。
明日から、与える人、つまり「ギバー」になる練習をするだけです。
自分も周りも幸せにする『GIVE&TAKE』の正攻法
成功するギバーは、どうせ私は利用されてもいいのだと決めてかかったりはしない。人に惜しみなく与えること自体が危険なのではなく、誰に対しても、たった一つのギブ・アンド・テイクのやり方で対応することのほうが、よっぽど危険なのだ。
人にも自分にも与えることができる、いわゆる「成功するギバー」は他社利益への関心も高く、なおかつ自己利益への関心も高いことがわかっています。
反対に「燃え尽きてしまうギバー」とは自己利益への関心が低い自己犠牲的ギバーです。
こういった人は時間とエネルギーを割いて他者につくし過ぎてしまい、長い目で見ると自分も他人も幸せにはできません。ネットの怪しい商法や詐欺などの犯罪にあってしまう可能性も高くなってしまい、結果不幸を招くこともあるでしょう。
では、そんなテイカーの餌食になってしまうのを避けるにはどうすればいいか?
当然、テイカーを見抜くことが大切なのですが、ここで注意があります。
勘違いしてはいけないこと、それは「愛想のよさ」はまったく当てにならないことです。
最新の心理学の調査で「愛想のよさ」は遺伝的要素に大いに影響を受けることがわかっています。
つまり、「無愛想なギバー」もいれば「愛想のいいテイカー」もいるということになります。
さらにギバーやテイカーというのは、動機や価値観によって決まるものでその人の性格とは無関係であるということも意識していなければいけません。
こうなってくると完全に見抜くのは難しいですよね?
そこで著者は、ありがたいことに相手がテイカーであると判断した場合の対処法を教えてくれています。
テイカーを相手にするときには、自衛のために、マッチャーになるのがいい。ただし、三回に一回はギバーに戻って、テイカーに名誉挽回のチャンスを与える。
著書では、この方法を「寛大なしっぺ返し」と呼んでいます。
「寛大なしっぺ返し」では3回に2回はマッチャーとして振るまい、残りの1回をギバーとして応じます。
つまり、「与えられたら、返す」もしくは「与えたら、お返しをもらう」というマッチャー的な行動を3回のうち2回は取り入れ、3回中1回だけ「見返りを求めずに与える」ということです。
これによって、テイカーが必ずしもテイカーのままでない可能性も残すことになり、いかにもギバーらしい方法で自衛することが可能になります。
文字通り「寛大な」素晴らしい方法だと思っています。
ただし、注意もあります。
自衛のためにといっても最初からマッチャーとして振るまうのは得策とは言えません。
そんなことをしていれば、いつの間にかマッチャーになってしまっている自分に気づくことになっちゃうでしょうから。
あくまで「寛大なしっぺ返し」を使うのは、テイカーを相手にするときだけというのがポイントです。
まとめ
日本に生まれて、日本で育ち、日本で結婚した僕はやっぱりなんだかんだ言ってもこの国が大好きです。
なんで急にこんな話をするかというと、日本人には基本的にはテイカーも多い反面、自己犠牲型ギバーも多いのではないかと思っているからです。
会社のためと信じてサービス残業に何時間も費やしてしまうサラリーマン、何もしてくれない旦那のために毎日家事と子供の世話に人生を捧げているお母さん、パパとママはお仕事で大変だから自分が我慢すればいいんだと思って自己主張できなくなってしまった子どもたち。
今の大人たちを見ているとこんな声が聞こえてきそうです。
「与える余裕なんかどこにもありません」
本当にそうでしょうか?
ボクはたとえ命を失っても絶対にそんなことは言いたくありません。
だけど、だからといって自己犠牲ではダメなんです。
誰も幸せになれないのが自己犠牲なんです。
決していい人ばかりじゃない世界。
だけどそんな世界でも、『GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代』なんて本が出版されて、そして世界的ベストセラーになりました。
ボクは、「やっぱりみんな『与えたがり屋さん』なんじゃん」と思ったんですよね。
だって、
だから売れたんですよね?
みんな人にうまく与える方法を知りたいと共感したから。
ボクはこう思うんです。
人は誰しも、きっと「奪う」より「与えたい」と心の底では思ってる。
ただ、その余裕がないだけなんだ。
みんなで無理なく与えあって、1ミリでも素敵な世界にしたい!
そんな方法が多くの心理学の実験結果から科学的に解説されている、多くの人に読んでほしい一冊です。
超おすすめです♪
というわけで、ここまでの読了、ありがとうございました。
ねこじたのヒロでした。